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ブラックドッグ

情報提供(文書):ファントムさん。修正・編集・イラスト:長官
それは1972年2月、イギリス・デボンの田園地帯で起こった。

この地で農業を営むモーガン夫婦の家で忘れかけていた悪夢が甦る…

夜遅くのことだった。モーガン夫婦は寝室のドアを誰かがひっかいていると気付き、目を覚ました。ガリガリとその音は響いていた…

「もしかしたら、泥棒かもしれない」

すぐさま夫のトミーさんはベットから飛び降りた。

寝室の暖炉にある棒を手にとると、ドアを開け、廊下に出た。廊下は何事もなかったかのように静まり返っている。



辺りを見回してみるが特に変わった様子は無い。

「気のせいだったのだろうか…」

そのときだった!

トミーさんの目は階段の上にいる不気味な物体をとらえた。



それは大きく、赤い目をしていた。とても人間の目ではなかった。

トミーさんは必死に、全体をとらえようとしていた。

その姿は犬のように見えた。

「犬…なのか!?」

それは巨大な犬のような姿だった。

赤い目は暗闇の中ぎらぎらと輝き、口元からは鋭い牙がとびだしていた。



「こ、これは、犬じゃない!!」

トミーさんは棒を力強く握りしめた。

その生き物に向かおうとしても足がすくんでしまって動けない。トミーさんはゆっくりと後ずさりし始めた。

このとき、トミーさんの脳裏をこの辺りに古くから伝わる伝説がかすめていた。



その黒犬獣は恐ろしく、凶暴で、危険な存在であった。

その生き物が出現するようになったのは14世紀のごろだった。

そのころからつぎつぎと人を襲っては傷つけ、ときには殺してしまうこともあった。

そして、その後にはまばゆいばかりの光とすさまじい爆発音とともに姿を消すと伝えられているのだ。

だが、黒犬獣について語られているのはそれだけではなかった。

サフォーク州・バンゲイのブライスバーグ教会には黒犬獣が実在していた証拠も残されているというのだ。

教会に黒犬獣が現れたのは1577年8月4日のことだ。

この日、街は異様なほどの激しい雷雨にみまわれていた。

午前9時のことである。

日曜参拝のために大勢の人が集まっていたブライスバーグ教会にひとすじの雷光が轟音とともに直撃した。

教会の中に不気味な黒い犬が出現したのはそれと同時だったという。

その犬は、あっというまに祈りを捧げていた信者2人を即死させ、さらに教会の金属張りの扉に焼け焦げたような奇妙なつめあとを残して煙のように消えてしまったのだという。

そう、今その黒い犬が自分の前にいる…

トミーさんに今だかつて体験したことの無いような異様な恐怖が襲った。

「うわぁぁぁぁぁぁー」

トミーさんは思わず叫んだ。

そして、おそろしい生物に力いっぱい持っていた棒を投げつけた。

その瞬間、

目がくらむほどのまばゆい光がはしったかと思うと、すさまじい爆発が起きたのである。



その爆発により家は激しく揺れ、窓ガラスは砕け散った。

トミーさんがきづいたとき、一面には硫黄のような強烈な臭いが漂っていたが、その生物の姿は消えていた。

黒犬獣は14世紀から300年の時を経て甦ったのであろうか。

そして、現代に甦ることがあるのであろうか…

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