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ヘビの真実

担当:長官
古代より神秘的な存在であったヘビの実体に迫る!!
序章

古代より神秘的な存在である蛇(ヘビ)、 旧約聖書ではイヴにリンゴを勧め、 神によって地に落とされたといわれている。 マヤ文明と関係している 羽毛を持ったヘビの神、ケツァルコアトルのように、 ある地域では神に近い存在として、 またある所では悪魔の使いとして恐れられてきたヘビ。 今回はそんなヘビについての真実を様々な情報と共に紹介してゆく。

第1章.崇拝と嫌悪

ヘビはあるところでは神に近い存在として 崇拝されている。 しかし、現代においては 少なからず嫌悪感を抱いている方も 多いだろう。 なぜ、ヘビはなぜ古代より神秘的な扱いを受けてきたのだろうか。 それは、その形態が大きく関係しているのかもしれない。 特にヘビには手足が無い(一部のヘビでは手足に近いものがある)、 これは非常に興味深い。 また、ヘビに対して恐怖感を抱く人が多い理由として 進化と関係しているのではないかという学者たちがいる。 現在の進化論では、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類など 全ての生物は小さなバクテリアから「進化」してきたと考えられている。 しかしながら、 このような進化の段階で小さな哺乳類は爬虫類に 襲われる可能性が高かった。 そのため、未だに我々はこの名残が少なからず残っていると考えることも出来る。 ヘビは現在2600種が確認されており、 様々な特徴を持ったヘビがいるが、 次章からは 一般的な特徴を紹介してゆく。

第2章.ヘビの視覚

目は我々にとって情報源を得るための重要な器官である。 ヘビは生息地域によって様々に発達している。 ある種では洞窟のような暗い所で生息しているヘビもいる。 一般的には目が見えるヘビが多いが、 色を見分けることは出来ないと考えられている。 また、ピット器官という器官を備えているヘビもいる。 このピット器官はいわば赤外線スコープのような 働きがあり、なんと、熱の温度を感知することが出来る驚くべき器官である。

第3章.ヘビの嗅覚

ヘビの嗅覚は発達しており、 生活の中でも重要な働きをしている。 "彼ら"は鼻からだけではなく、 舌を動かして付着した臭いの粒子を口の 天井に押し付けて嗅いでいる。

第4章.ヘビの聴覚

ヘビにはヒトのような耳(耳介)や鼓膜は無い。 しかしながら、音を聞くことが出来る。 私達と同じように空気中を伝わる音を体で受け取っているのだ。 これは、携帯などで注目を浴びている骨伝導と同じようなメカニズムである。 ワニなども骨伝導で地面の音を聞いている。 ヒトの耳小骨は進化の段階で顎の骨の一部から形成されたと考えられている。

第5章.ヘビの味覚


味蕾の組織写真(顕微鏡 H・E染色)

ヘビの食事様式といえば誰もが巻きついて、 獲物を丸呑みしている姿を想像するだろう。 このような大きな物を飲み込めるのは顎の形を変えられるからである。 味が認識される機序についてはまだまだ知られていない ことも多くあるが、 情報を受け取っているのは味蕾(みらい)と呼ばれている部分である。 先ほど紹介したようにヘビはその長い舌で臭いを運び、嗅覚に利用している。 そのため、この味蕾はかなり減少してしまっている。

第六章.ヘビの触覚と脱皮

ヘビの体色は地味なものから派手なものまで様々である。 この派手な体表は「捕食者に対して自身が危険であることをアピール」 していると考えられている。 そのため、カラフルな体表は危険なヘビの代名詞ともなっているが、 これを逆に利用したヘビもいる。 色がカラフルだが、さほど危険を及ぼさないヘビもいるのだ。 また、一部では体表を変化させるヘビも報告されているという。 ヘビは脱皮するが、これは痛んで古くなった表皮の交換である。 ヒトは脱皮をしないが、その代わり表皮が落ちて"アカ"となって落ちている。

第7章.ヘビの一生

ヘビがパートナーを見つけるのは基本的には年に一回程度だと考えられている。 探す際には嗅覚を利用して臭いを元に探している。 出産の際には卵で生む種と、子ヘビの状態で産む種がいる。 その子供の数も種によって幅がある。 世界で一種だけ、ブラーミニメクラヘビというヘビはメスしか いないので自家受精する種がいる。 ヘビの寿命はあまりよく知られていないが、 飼育下のヘビは数年から20年程度であるといわれている。


ヘビの天敵、巨大ヘビ、毒蛇…
引き続き「ヘビの真実(続編)」をお楽しみください。