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ブラックホールに落ちてしまった宇宙船

担当:長官
ブラックホールに落ちてしまった宇宙船の奇妙な運命。
名前は有名、でも知られていないブラックホール
皆さんは「ブラックホール」という言葉を知っているだろう。 ブラックホールの言葉を知らない人は成人ではまずいないだろう。 しかし、ブラックホールがどのようなものか説明できる人は格段に少ない。 今回はブラックホールの簡単な説明からはじめ、 宇宙船が故障して、ブラックホールの中に入ってしまった 場合どのようになるのかまで迫ってみたい。


ブラックホール
ブラックホールという名称をつけたのはジョン・ホイーラー という物理学者である。 ブラックホールはアインシュタインの一般相対性理論が 根底にあり、「とてつもなく質量が大きい天体」と定義できる。 そして、ブラックホールの質量が大きいということは 「光さえも抜け出せない」ということを意味している。 例えば私たちが望遠鏡を使って月を見るとしよう。 まず太陽光が月に当たり反射する。 そして、その反射光は地球に向かって進んでくる。 その光を私たちは見ている。 これにより分かるのは、例えばある天体から光速で地球まで5年 かかるとすると私たちは5年前の天体を見ていることになる。 ということは天体を見るというのはその天体が発した(反射した)光を見るということなのである。 ブラックホールは質量がかなり大きいために光をも飲み込む。 ......皆さんはもうお気づきだろうか。 そう、ブラックホールからは光が出ないということは、私たちは目で見ることが出来ないのである。

ブラックホールを確認したい!
このように説明してくると「ブラックホールを確認したい!」 とお思いになる方がいらっしゃるだろう。 科学者たちも同様に考えました。 もちろん、いくら高性能の望遠鏡を用いても光が出て来れないため、 ブラックホールを見ても見えるはずはありません。 しかし、実はこの解決方法を発見できたのは意外にも身近なところからなのです。

COFEE BREAK 〜月の不思議〜

月は実に神秘的で不思議な衛星である。 科学的な側面から考えても その起源についても元は地球の一部であるという説や、 地球の海面の潮の満ち引きや、最近では 日周期(サーカディアンリズム)など生物の リズムにも大きな影響を及ぼしている可能性が考えられている。 また、狼男伝説、和歌など様々な文学などにも利用されており、 月の異名は現在でもしばしば用いられる。 (1月より)睦月、如月、弥生、卯月、皐月、水無月、 文月、葉月、長月、神無月、霜月、師走。 このように月は人類にとって欠かせない天体なのだ。

なんとかしてブラックホールを確認したい!
科学者は「なんとかしてブラックホールを確認したい!」と思いました。 例えば宇宙ではなく、私たちが普段、現実的に何かを感じるときに何を利用するだろうか。 人間には5感があります。「視覚・味覚・触覚・嗅覚・聴覚」です。 では、ここで考えてください。 その身近にある何かが光を出していない場合は、 視覚以外の4感で確認しようとします。 これと同様に科学者も光(この場合は可視光線)以外 のものに目をつけました。 このように、目の付け所は意外にも身近なところにあったのです。 そして、目をつけたのはエックス線です。 しかし、ブラックホールのエックス線を見分けるために困難な点がありました。 中性子星との見分け方です。 ここからは科学者たちしかできない作業で、 彼らはブラックホールと中性子星を見分けるために机上で 計算する理論的研究により判断しました。 その結果、銀河系にブラックホールは10程度あると確認され、現実的にこの試みは成功しました。
↓ここからは、これを理解しないと分かりにくい内容です。↓
ブラックホールは非常に大きい質量を持っており、 シュワルツシルト半径より内側では光さえも抜け出すことは出来ない。

現在の理論では光より速いものは存在しないので、 いくら速い宇宙船でもブラックホールから抜け出すことは不可能である。

出来る限り分かり易く説明してきたつもりでありが、 ブラックホールについて概要は分かっていただけただろうか。 つまり、「ブラックホールは非常に質量が多く、光さえも抜け出すこ とができないため、視覚的にとらえることが出来ない天体」といえる。 そして、最後に「ブラックホールに落ちてしまった宇宙船」の話をしたい。 もちろんブラックホールを確認しに行った人はいないわけで、 一般相対性理論に基づいた考えである。 いま、あなたは故障した宇宙船に乗っていて、 運悪くブラックホールの重力に捕まり、中心に向かって落下しているとしよう。 あなたは高いところからとびおりたような感じで 急速に落下している。 そのままシュワルツシルト半径(ここを越えると光が抜け出せなくなる) を超えて落下している。 そして、あなたの宇宙船がシュワルツシルト半径を超えた時に、 あらかじめ故障した瞬間に発しておいたSOS信号を受信した救助宇宙船が離れたところから目撃した。 この救助宇宙船から見るといつまでたってもあなたの宇宙船はほとんど動いていないように見えている。 これは、ブラックホールに落下している宇宙船と 外にいる救助宇宙船の重力の違いにより起こることで、 相対性理論により導き出されており、 重力が異なると時間の進み方も違うのだ。 もちろん、ブラックホールに落下している宇宙船の乗務員は ブラックホールの中心に確実に近づいている。 落下している宇宙船が仮に救助宇宙船に再度、SOS信号を送った場合どうなるだろうか。 外にいる宇宙船は助けに来るだろうか。 まず来ないだろう。 アインシュタインにより光より早いものは存在しないといわれているので、 今の理論ではいくら科学が発達してもシュワルツシルト半径を超えた宇宙船を 助けることは出来ない。 もし、ブラックホールを恐れずに救助宇宙船が助けに来たとしても同じ運命をたどるだけだ。 それ以前にシュワルツシルト半径を超えてしまった以上、 光も既に抜け出せないので、トランシーバーなどで電波(光と同じ速さ)を 発信しても、救助宇宙船の乗務員には届かない。 ここで落下中の宇宙船の乗務員に話を戻そう。 宇宙船の乗務員には既に残された手は無い。ブラックホールに落ちていくだけである。 重力は中心ほど大きく、外にいくほど小さい。 つまり、普通に立っていた場合は、頭より足のほうが強く引かれるわけである。 おおそ、この引かれる強さは首をつるされて足に130万トンのオモリを つけているようなものだ…

もし、ブラックホール見学旅行があったとしたらあなたは参加出来るだろうか…
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