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基礎化学と生化学


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九章.有機化学

有機化学は炭素を含んでおり、 実に600万以上知られている。 これらを理解するうえで重要なのが官能基であり、 例えばアルコールは-OH、アルデヒドは-CHOなどが含まれている。 これらを元に、有機化合物の名称には慣用名、とIUPAC名が付けられている。

十章.電気化学、核化学

酸と異種金属を用いることによって、組み合わせに 応じた化学反応が起き、電気エネルギーが生じ、電池が形成される。 また、最初に原子の構造を紹介したが、 自然、または人工的に原子が放射線を放出するものがあり、 この能力は放射能と呼ばれている。 放射線にはアルファ粒子、ベータ粒子、ガンマ粒子があり、 アルファ粒子はシート1枚程度を通過出来ない弱い粒子で、 ベータ粒子では金属3センチメートルは通過することは出来ないが、 ガンマ粒子は強い通過能力を持っている。 放射線同位体は元素に中性子のような物質を衝突させることによって 人工的に作り出すことが出来る。 この衝突により原子は分裂し(核分裂)、原子爆弾の原理でもあり、 原子力発電所ではこの原理(核分裂)を制御してエネルギーを作り出している。 これに対して核融合は太陽などで起きており、水素爆弾の原理となっている。 また、放射線同位体はCT、PETなど医療の現場で活用されている。

十一章.生命現象の化学、「生化学」

近年のダイエット、健康ブームなどとともに、食事など栄養学などが 注目を浴びている。生命現象の化学はこれらの栄養学などの基本であり、 ここでは、生活に密着した生化学を紹介する。 私たちは食事をしてエネルギーを得ている。 それらの中で三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質) は特にエネルギー源として重要で、 炭水化物(砂糖、ご飯、パンなど)は1gにつき4kcalのエネルギーを生み出しており、 体内において早く吸収される。 たんぱく質は20種類のアミノ酸が多数結合(ペプチド結合)したものであり、 アミノ酸の中で体内で合成できない8種類のアミノ酸は必須アミノ酸と呼ばれており、 必須アミノ酸が全て含まれている卵、牛乳、肉、魚などは完全たんぱく質と呼ばれている。 脂質は、高いエネルギーがあり、 1gで9kcalのエネルギーを有している。 脂質はよく知られている脂肪や、ステロイドなどがあり、 ステロイドはホルモンなど体内でも重要な働きを有している。 また、三大栄養素以外にも無機質、ビタミンは健康を維持するために非常に 重要である。無機質は化学反応の速度に関与しており、 鉄、亜鉛、カルシウムなど様々な物質がある。 ビタミンは体内において酵素として働いており、活性化エネルギーを 下げる働きがあり、体内での化学反応をサポートしている。 近年、コンビニなどでこれらのビタミンを容易に購入出来るが、 同時に様々な危険を秘めていることを知らなければならない。 ビタミンには脂溶性と水溶性があり、水溶性のビタミンは 尿として排出されるが、脂溶性のビタミンは体内に蓄積 されてゆくので様々な疾病を引き起こす危険性がある。 現在の日本の一般的な環境では、 大航海時代のようなビタミンC不足による壊血病などはほとんどみられず、 日常の生活である程度摂取されており、不規則な食事の不足分を補う程度が望ましい。 しかし、近年の健康ブームではこれらの注意点に留意していない 場合が多く、数粒で1日で全てのビタミン量を有する マルチビタミンが気軽に売られている。 例えばこれらのビタミンを毎日飲み続けた場合には…、 溶血性貧血、嘔吐、子供の奇形、そして死に至る場合がある。 先ほど紹介したようにビタミンには脂溶性と水溶性があり、 水溶性のビタミンは尿と一緒に排泄されるので比較的安全である と考えられている。 水溶性ビタミンはビタミンB、ビタミンCなどで、 脂溶性のビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなどである。 そのため、臨床的にはビタミンB、C以外の摂取については特に気をつける必要がある。

最終章.化学と現代社会

今回は、化学の基本的な情報と、生化学的な応用などを 紹介してきたが、化学は現代社会と密接な関係を持っていることは いうまでも無いだろう。 化学、物理学、生物学などの発展により、生活水準は上昇し、 医療機器の開発、産業なども発展してきたが、 環境破壊などの間接的な問題、核兵器などの直接的な問題なども 生み出す結果ともなった。 サプリメントの例のように 情報があふれる現代社会で 情報を正しく選び抜く力が問われている。
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