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地球と共にある生物の進化(続編)


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10.「ユートピア(楽園)を目指して…」

この頃の海中には様々な生物が生息していたが、 陸にはまだ生物は生息していなかった。 その理由は陸上という環境は"彼ら"にとってとても厳しい 状況だったからだと考えられている。 しかし、このような状況を覆す事件が起こった。 陸と陸の衝突だ。陸の衝突により山脈が誕生し、 同時に今までには無かった河が誕生した。 魚達にとって生存を賭けた戦いのフィールドでもある海は、 危険な場所でもあった。彼らを襲うアランダスピス などが生息していたからだ。 魚達はアランダスピスなどから逃げるために 安住の場所を探した。そして見つけたのがこの河だったのだ。 しかし、それには問題があった。 塩分濃度だ。魚達の一部はこの塩分濃度をなんとか克服しようと 挑戦を試みた。そして、その中で克服できた生物が プテラスピスだ。 "彼ら"は塩分濃度の問題を解決するために、長い年月の中で硬い甲羅を 形成していった。また、肝臓も同時に発達していった。 そして、プテラスピスは一時の楽園を手に入れたのだ。 そして、さらに進化を遂げ、ケイロレピスが出現した。 ケイロレピスは初めて背骨を持った生物であり、 "彼ら"が背骨を持った理由は様々に議論された。 議論の結果、「強い筋肉を支える」ということも一つの理由であるが、 それ以上に直接的な理由として「カルシウムなどのミネラル貯蔵庫」 だったと考えられた。実際に、河は海に比べ、ミネラルが 少なかったため、背骨の無い生物の多くはその時に絶滅した。 その後、背骨を持ったケイロレピスの他にも同じく背骨を持った ユーステノプテロンが同時代に現れた。 "彼ら"は背骨の他にも4枚のヒレにそぞれぞ7本の指のような骨をもっていた。 ベーリング博士はこのユーステノプテロンが河の生物の中では 人間の直接の祖先だったと考えている。 実際に、人間にも生まれる前には7本の骨がある。 また、ユーステノプテロンは酸素が少ない場合に備え、肺呼吸 ができたと考えられている。 背骨・肝臓・骨・肺などが出来上がった魚達は さらに浅瀬を泳いでいる際にまだ見ぬ新世界を見つめていたことだろう。 そして、さらなる新世界に向け、新たな挑戦者が現れた。

11.「さぁ!今こそ上陸開始だ!!」

浅瀬を泳ぐために発達した骨は陸という新世界を向けた 挑戦者にとってはまさに必要不可欠なものだった。 そして、ついにその新世界を目指す挑戦者が現れた。 それが1メートルほどのイクチオステガだ。 "彼ら"は重力に逆らいながらも陸という新世界を目指していいた。 その際に重力で肺がつぶされないように肋骨も徐々に形成していった。

12.「度重なる巨大化。その先には…」

シルル紀には両生類が陸への進出を進めていた。 三畳紀・ジュラ紀・白亜紀は恐竜達の時代であり、 大陸にはシダ植物が茂り、恐竜達は巨大化していった。 巨大化の際には様々な問題があったと考えられる。 その一つが草食動物の歯であり、丈夫な歯を求めると 頭が重くなってしまうために恐竜達は胃に石をためて、 消化をしていたことが分かっている。 裸子植物も地上に現れており、風に乗せて大陸に 種を広げていった。 その後、被子植物が繁栄した事でバロサウルスなどは 絶滅していったと考えられている。 その後、被子植物に対応したトリケラトプスが地上に現れた。 恐竜の時代には既に空を制した生物も存在していた。 それが翼竜だ。 1億5000年前の翼竜であるプテロダクティルスは背骨を持っており、 "彼ら"は少しでも軽くするために骨の中を空洞にするという進化を遂げた。 また、翼竜は鳥とは違って、現在でいう、凧のように 膜を伸ばして、グライダーのように風を受け飛行していたと考えられている。 この翼竜が空を制している時に、さらなる挑戦も始まっていた。 それが始祖鳥だ。 始祖鳥は羽を持っていながら、長い尻尾をもっており、 足の骨は爬虫類の特徴をもっているために議論の対象となっている。 第一に始祖鳥は爬虫類が祖先という説で、 始祖鳥がこのような特徴を持ったのは 木の上に生息していた爬虫類が少しでも遠くに飛ぶために ウロコを羽に進化させていったと説明されている。 証拠として、ウロコと羽は両方ともタンパク質であるケラチンで出来ている。 そして、第二の説は 鳥の祖先は恐竜であり、保温の目的で羽ができたという説だ。 この議論は未だに完全なる解決はされていないが、 現在は「始祖鳥は鳥の祖先」が有力だとされている。 白亜紀にもこの世界に生きる生物はさらなる挑戦を続けていたが、 6500万年前、巨大な隕石が衝突した影響で 雲が太陽をさえぎり、植物が育たず、恐竜は絶滅していった。 翼竜も例外ではなく、羽毛が無いために体温の保温が 出来ず、強風では飛ぶことが出来ないため、同様に絶滅していった。 しかし、恐竜が絶滅していく中で徐々にその姿を現してきた生物もいた。

13.「新時代の幕開け。新たな生物」


恐竜絶滅の中、かなり小さい生物が木の実などを 食べ、新時代が来るのを待っていた。それが、哺乳類だ。 哺乳類も多種多様の進化を遂げ、 猿の仲間の一部が森の生活を捨て、草原に 旅立っていった。次第に"彼ら"は直立二足歩行する ようになっていった。また、草原には 隠れる場所がないために、肉食動物達が"彼ら"を襲っていた。 猿の仲間である"彼ら"はこれらの動物 に対し、草原という環境において運動能力では 勝てないことを悟り、知能によって彼らに対抗 していった。そして、その中の猿が人間の祖先だ。

14.最終章

以上、人間にたどり着くまで大きな出来事だけをピックアップして 紹介してきたがいかがだっただろうか。 このように地球形成から46億年の間には様々な生物が進化を遂げ、 数々のドラマが繰り広げられてきた。 まさにこの間に起こったことは「偶然」という言葉が ふさわしい。今私達がこの地球に残っているのはまさに偶然だ。 そして、このような進化の中で実に99パーセント以上が 絶滅している。これは私達人間も例外ではない。 ある学者は「進化の最終は人間だ」と話しているが、 私は必ずしもそうとは思わないが、どうだろうか…
不思議捜査官 智子

生物の誕生をめぐっては様々な仮説がありますが、 宇宙からやってきたというパンスペルミア説があり、 近年の火星探査などで真実味がありそうな気がします。
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